2012年7月5日木曜日

投資と増資の違い:企業は株価を下がるリスクを承知でなぜ増資を実施するのか?:ANA 全日空のケースで考える

ANA 全日空が7月3日に増資を発表しました。

『国際線旅客事業のネットワーク競争力に重要な、最新鋭機材ボーイング 787 型機を中心とす る経済効率の高い戦略的機材への投資促進を図ると共に、アジアをベースにしたマルチブランド戦 略の確立を目指して、将来の成長機会に適時かつ機動的に対応できるような財務基盤を確立』

2010年10月財務分析によると中長期的な使用を前提とした戦略機材については、購入・自 社保有することを基本としていることから、B787も購入・自社保有することを想定されていると考えられます。

増資する場合、株価はどのような値動きをするのでしょうか?

企業価値が変わらない場合は1株あたりの利益が減少する為、株価は下がる傾向にあります。今後公募した増資を利用して企業価値が上がる、すなわち1株あたりの利益が増加すると考えられる場合には、株価は上がる傾向にあるといえます。

現状、市場の反応としては、1株あたりの利益が保てないと判断し、価格が下がっています。

なぜ全日空はあえて株式による増資を選んだのでしょうか?

一つの根拠としては、「政投銀などからの低利融資の場合には、箸の上げ下ろしまで指示され、意思決定の機動力が大きく損なわれたと」の発言がありました。

低利融資でない場合は民間銀行からの融資になりますが、もちろん利息と支払が滞る事態になった場合は経営への口出しも予測されます。

[増資・融資]の比較
返済負担 情報開示義務 個人・連帯保証 安定株主対策
不要 不利益
融資 必要 有効

株主総会決議で取締役会に委任している場合、増資の際に株主の承認は不要です。

このような決定は直近の結果ではなく、10年、20年見据えた上で最良の判断をされていると思いますが、短期的には株主からの批判は免れないかとおもいます。

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